『手記 -世紀末の黙示録- 抜粋』 マリア・ヴァルトルタ著 (天使館発行)より 2

2  それは天と地獄との戦いである。
‘43年6月19日。
イエズスは言われる。
「数日前神父が、現在の災いの真の起源について当惑したと書いている。『それ自身に逆らって分裂している国はもはや国とは言えないからだ』という。わたしは神父に、そういう状況は生じうる、というのも、分裂は専ら表面上のものだからだ、と示すつもりだ。
 ルシフェルはその示現のなかで、いつも神を模倣しようとつとめてきた。神はそれぞれの国に守護の天使を与えたが、同じようにルシフェルはそれぞれの国に自分の悪魔を手配した。各国の天使たちが唯一の神に従うように、各国の悪魔たちは唯一のルシフェルに従っている。
 現在の諸々の出来事に関していえば、ルシフェルから諸国の悪魔に与えられる命令が国家間で異なるようなことはない。すべての国家に対して同じ一つの命令が与えられている。したがってサタンの国が分裂していないことが分かる。だからそれは持続する。
 この命令はつぎのような形で発布される。『諸国民が神を呪いながら神から離反するように、恐怖と絶望と誤謬を撒き散らせ』。悪魔たちはこの命令に従い、恐怖と絶望を撒き散らし、信仰の火を消し、希望を絞め殺し、愛徳を消滅させる。廃墟の上に憎悪と淫欲と無神論を撒き散らす。地獄を撒き散らす。そして彼らは成功を収める。なぜなら下地がすでに整えられているからだ
 わたしの天使たちもわたしが彼らに委ねた国を防衛するために闘う。しかしわたしの天使たちは防衛に適した戦いの場を見い出さない。そこで地獄の敵を相手取る彼らの戦いは分が悪い。勝利するために、わたしの天使たちには、善のなかに、善のために生きている霊魂たちの助力が必要だろう。わたしの内に生きている人々、そのような人々は存在する。しかし、信ずることも、愛することも、赦すこともせず、苦しむすべも知らない人々に比べれば、その数はあまりにも少ない。
 また繰り返し言っておくが、『サタンはあなたたちが篩(ふるい)にかけられることを要求した』。そして、その篩によってあなたたちの腐敗は、ノアの洪水の時代の腐敗よりも悪化しているという結果が出た。ノアの時代の人々はまだキリストとその教会を有していなかったのに、あなたたちはすでにそれを有しているからだ。
 すでに言ったことだが、繰り返して言おう。『これは天と地獄との戦いなのだ』。あなたたちは偽りの風除けにすぎない。あなたたちの隊列の背後では天使たちと悪魔たちが闘っている。あなたたちの動機の背後には、キリストに立ち向かうサタンとの闘争というほんとうの理由がある。
 これは、選ばれた人々の取り入れを、見放された人々の取り入れから分けるための最期の時に近づいた、人類の最初の選別の一つである。しかし残念なことに、選ばれた人々の取り入れは見放された人々のそれに比べると少ない。
 キリストは、永遠の敵対者の預言者に打ち勝つために再臨するだろうその時、十字架によって目印をつけられた霊魂をわずかしか見出さないだろう」。…