祝 聖トマス・アクィナス司祭教会博士の記念

『礼拝の聖時間』マテオ神父著「夜の聖時間」デルコル神父・江藤きみえ共訳より
   2. SACRIS SOLLEMNIIS ♪ サクリス・ソレムニイス

1.  聖なる祭りを喜んで祝い、
  まごころから賛美の歌をささげましょう。
  古いものをすべて、ぬぎすてよう、
  心も声も行いも。
                    
2.  これこそ、最後の晩さんの記念、                
  キリストは、古代の先祖に与えられた             
  正しい律法に従って、小羊とたねなしパンを          
  兄弟たちに与えたと、わたしたちは信じます。               

3.  前じるしだった小羊のあと、食事の終わりに          
  主は、おん手ずから、おん体を弟子たちにお与えになりました。  
  弟子たちはみな、完全なおん体を受け、各個人も、        
  同じ完全なおん体を受けました。                

4.  主は、弱い者におん体をかてとして与え、            
  悲しむ者におん血のさかずきを与えて、              
  おおせになります、「このさかずきを受けて、みな飲みなさい」と。 

5.  こうして主は、いけにえを定め、               
  その役目を司祭たちにおまかせになりました。         
  司祭は、自分もこれをいただいて、                
  ほかの人にも与えるつとめを持っています。           

以下ラテン語でうたうとき、カトリック聖歌集 527と528。 パニスアンジェリクス ♬ Panis angelicus

6.  天使のパンは、人間のパンとなり、           Panis angelicus fit panis hominum; 
  天のパンは前じるしを終わらせます。          dat panis caelicus figuris terminum;
  何と感嘆すべきこと! 貧しく             O res mirabilis: manducat Dominum
  いやしいしもべは、主を拝領します。          pauper, servus et humilis.

7.  三位一体の神よ、願わくは、             Te, trina Deitas unaque, poscimus:
  わたしたちの礼拝に答えておいでください。       sic nos tu visita,
  あなたの道をたどって、目的の天に           sicut te colimus; per tuas semitas
  導かれますように、                  duc nos quo tendimus,
  あなたが住んでおられるその光へ。 アーメン。     ad lucem quam inhabitas. Amen.

SACRIS SOLLEMNIIS

この第2の賛美歌は、教会の祈りの読書(Matutunum)のためであって、いけにえとしてのご聖体をほめたたえる。詩の作りかたとして、聖トマスは、奇妙な方法に従い、特別に荘厳な詩情をあらわしている。
〔第1節〕 使徒パウロの教えに従って、「前の生活の古い人を脱ぎすて、霊的な思いによって自分を新たにし、正義とまことの聖徳において、神にかたどってつくられた新しい人を着なければならない」(4・22~24)。
〔第2節〕 最後の晩さんのときに、律法に従ってイエズスは、種なしパンを使われた。それは、先祖がエジプトを出るとき、いそいでそうしなければならなかったことを記念するために。エジプトを出るとき食べられた小羊は、イエズスの前じるしだった。
〔第3節〕 前じるしの小羊を食べてのち、まことの小羊であるイエズスがご聖体を制定される。
〔第4節〕 ご聖体は弱いもの、悲しむものに、信仰の力強さと慰めを与える。
〔第5節〕 新約時代のいけにえ、ミサ聖祭は、すべての信者が参加するが、これをささげる資格があるのは司祭だけである。ほかの人は自分でご聖体を取ることはゆるされていないで、司祭の手から受けるのである。
〔第6節〕 詩編78・24に「(主は)天のパンを与えられた」とある。「天使のパン」ともいわれる。「天のパン」、または「天使のパン」とは、イスラエル人があれので食べたマンナのことである。それはご聖体の前じるしだったので、本物の天のパンが与えられると、前じるしはなくなる。イエズスは、あきらかに「天からくだった、生きるパンはわたしであって、このパンを食べる人は、永遠に生きる。そしてわたしの与えるパンは、世のいのちのためにわたされるわたしの肉である」(ヨハネ6・50~51)。
「何と…」。3つの単語で深い意味をあらわしている。
〔第7節〕 三位一体に対する賛美とともに、天にたどりつく恵みを願っている。
「住んでおられる光」、神は「近づけない光のうちに住んでおられる」(第一ティモテオ6・16)。

1. Sacris solemniis
iuncta sint gaudia,
et ex praecordiis
sonent praeconia;
recedant vetera,
nova sint omnia,
corda, voces, et opera.

2. Noctis recolitur
cena novissima,
qua Christus creditur
agnum et azyma
dedisse fratribus,
iuxta legitima
priscis indulta patribus.

3. Post agnum typicum,
expletis epulis,
Corpus Dominicum
datum discipulis,
sic totum omnibus,
quod totum singulis,
eius fatemur manibus.

4. Dedit fragilibus
corporis ferculum,
dedit et tristibus
sanguinis poculum,
dicens: Accipite
quod trado vasculum;
omnes ex eo bibite.

5. Sic sacrificium
istud instituit,
cuius officium
committi voluit
solis presbyteris,
quibus sic congruit,
ut sumant, et dent ceteris.