ヨハネス二十三世『わが祈りの日々』より抜粋

一月四日 諸民の一致
イエズス降誕の祝日は、毎年、一致と平和という同じひびきをもつかれの教えの宣示を、まざまざと思い出させる。不幸にして人間の歴史は、そのはじめに兄弟同士殺し合うという血なまぐさい事件を記録している。創造主が人々の心に植えつけた愛の掟は、悪意で粉砕され、この悪意はすぐに人類を不正・無秩序の道に迷い込んだ。一致が破られたので、神のみ子みずからの介入が必要となった。かれは、自分の血を支払って、人類家族を再びまとめるために、この人類家族の突然破られた神聖な結帯を、従順によって回復することを、ひきうけたのである。
 この結集はいつでも遂行されつつある。イエズスは教会をたて、その顔に一致のしるしをきざみつけ、人類のすべての民族が、海から海へひろがっている教会のはかりしれない大天幕に結集しようとした。神のお召しによって直接には霊的秩序の目標に向けられているカトリック教会のこの一性が、正義と兄弟愛との法則に従う世界秩序を求めるいろいろな人種や民族の調和的共住にむけられえないはずはない。