祝 グアタルーペの聖母の祝日 ☆ Our Lady of Guadalupe


グアタルーペの聖母

とても素晴らしい物語りがあります
 いまからおよそ450ほど前の、西暦1531年12月9日の夜明け頃、現在のメキシコ市に近い丘のふもとを、ホァン・ディエゴという、57才のインディアンが、ミサ(礼拝)に参加するために町に向かっていました。
 すると、丘の方から、彼に親しく呼びかける声がし、虹の形をしたまばゆい雲の下に、美しい婦人が立っていました。彼女は、その土地の言葉で彼にこう言われました。
「わたしは、この地上のすべてのものを造り生かしておられる神の子、イエズス・キリストの母です。この丘のふもとに、聖堂を建ててください。ここからわたしは、貧しい人、苦しんでいる人を助けたいのです。わたしは、愛といつくしみをもって、すべての人を守り、人々の嘆き、悲しみや、そのねがいに耳を傾けましょう。さあ、司教さまに、このことを伝えてください。」
 素直な心のホァン・ディエゴは、司教さまに聖母のことばを伝えに行きました。しかし、話しを聞かれた司教さまは、すぐには信じることができませんでした。ほんとうに聖母に会ったのなら、その証拠をもってくるようにいいました。
 この話しをホァン・ディエゴから聞かれた聖母は、「丘にのぼって、そこに咲いているバラの花をつんで持って行きなさい。」と言われました。
 十二月には、けっしてバラの花が咲くはずのないその場所に、かおりたかいバラがたくさん咲いていました。ホァン・ディエゴは、その花をつみとって、マントに包み、司教さまのもとに行って、そのバラの花を見せました。すると、色とりどりのバラが床にあふれ、そのマントに聖母の尊いお姿が現れたのです。
 聖母は、そのいつくしみとあわれみ、そしてかわらぬ愛で、いつの世も私たちと共にいてくださることを告げ知らせるために、このようにしてご自身の姿を残されたのです。
 現在、メキシコ市郊外にあるグァダルペの大聖堂の祭壇にこの絵姿がかかげられています。そして、400年以上たったいまもなお、この絵が色あせることも、朽ちることもなく、当時のままの姿で残っていることは、多くの科学者たちにとって大きな謎とされており、今も世界中の巡礼者をひきつけ、人々に深い感動をおよほしているということです。

聖クララ修道院『グアタルーペの聖母』カードより