『無原罪の聖母』M・コルベ神父のことば集から P16~17 聖母文庫

6 ルルドにおいて聖母はご自分のことを「罪なしに宿った者」とは呼ばれず「無原罪の宿り」と呼んでおられます。聖女ベルナデッタは次のように語っています。「その時、貴婦人がちょうど不思議のメダイに描かれているような姿で野生のバラの茂みの上に立っていました。私が第三回目の質問をすると、貴婦人の顔には真剣な表情が浮かび、その態度には深い謙遜がみとれました。祈るように胸の高さで合掌し、天を仰いでいました。それからゆっくりと両手を広げながら私の方に体を向けました。そして、少し震えたような声で『私は無原罪の宿りです』と答えました。」

 『無原罪の御宿り』という称号は、他の者にではなくて聖母にこそ最もふさわしいものです。ホレブ山においてモーセから「その名は何というのですか」と問われた神は、ご自分の御名を啓示して、「私は在って在る者」(出エジプト3・1~14)と言われました。なぜなら、神は永遠から永遠にいつも存在しているお方であるからです。神の本性はその存続期間やその他のすべての面において何の制限もない存在であるということです。神以外のすべてのものは存在ではなく、存在させられたので、その結果として存在しているにすぎません。ですから無原罪の聖母であっても時において存在し始めたのです。

不思議のメダイ