『おとめマリアのロザリオ』前教皇ヨハネ・パウロ2世の使徒的書簡

教皇ヨハネ・パウロ二世使徒的書簡
『おとめマリアのロザリオ』(ROSARIUM VIRGINIS MARIAE)第三章より 3

28 実際、ロザリオは観想の方法にすぎません。
 方法なので、目的に仕える手段となっても、ロザリオそのものが目的となることはありえないのです。とはいえ、それは何世紀もの間の経験が生みだしたものなので、決して過小評価すべきものでもありません。その証拠として、数えきれないほどの聖人の経験を挙げることができます。しかし、だからといって、このロザリオには改善の余地がないということにはなりません。そのために、三つの神秘のほかに新しく光の神秘を補足したのです。また、これからこの書簡の中で述べるロザリオの唱え方についてのいくつかの提案もそのためのものです。
 これらの提案は、これまでに定着してきたロザリオの唱え方の枠組みを壊そうとするものではありません。むしろ、信者がロザリオの豊かな象徴的表現を理解し、また日々の生活の要求に合った形でロザリオを唱える助けとなることを意図しています。もしもロザリオをそのようなしかたで唱えることがないなら、ロザリオは望んでいたような霊的な効果を生まなくなるおそれがあるばかりでなく、ロザリオを唱えるときに用いられてきたロザリオの珠は、その意味と機能を完全にねじまげられて、一種のお守りか、魔術の道具とみなされるようになるおそれもあるのです。

光の神秘
光1. ヨルダン川におけるイエス様の洗礼    主の洗礼
光2.  カナのしるし              カナの婚宴
光3. 神の国を宣教するイエス様のすがた
光4. イエス様の変容             主の変容
光5. 最後の晩餐中のご聖体の制定       ご聖体の制定