主イエズスの受洗記念の祝日


十三、イエズスの洗禮
其(その)時イエズスはヨハネより洗禮を受けるため、ガリレアからヨルダン川に来たり給ひました。ヨハネは之をことわって云ひましたには『我(わたし)こそ汝(あなた)から洗禮を受くべき者であるのに、却(かえ)って汝が我に来られたですか』と。イエズスが答へて申しましたには『今姑(しばら)く其(それ)を許しなさい、我等は斯く一切(すべて)の正しき事を為遂げるのが當(とう)然である』と。そこでヨハネは彼に許しました。イエズスが洗禮を受けて直ぐに水より上がり給うた時、御覧なさい、天は彼のために開け、天主の聖霊が鳩のやうに降りて、御自分の上に来り給ふのを御覧なさいました。又天から聲(こえ)があって『是は我心(わがこころ)を安んずる我愛子(あいじ)である』と云ひました。(マテオ三の十三より十七)

原版ジェローム・ナタリス(1507~1580年)著『キリスト伝』
昭和4年(1929)宣教師マキシム・プイサン翻訳発行
『我天主イエズス・キリストの伝図解』No.13 より