主の御公現 前晩


挿絵:原版ジェローム・ナタリス(1507~1580年)著『キリスト伝』
昭和4年(1929)宣教師マキシム・プイサン翻訳発行
『我天主イエズス・キリストの伝図解』より

主の御公現

 四世紀末まで東方教会では、御降誕の大祝日の日に御公現を祝っていたが、五世紀に入ってから、ローマ公教会の習慣に従うようになった。そこでローマ公教会では、御公現の祝日を取り入れて、一月六日に祝うことに定めた。
 御公現は、人間の中に神の御子が出現したこと、特に、キリストの神性をあらわす出来事、すなわち、博士らの礼拝、鳩のような形で聖霊の下り給うたイエズス受洗のとき、カナにおける奇蹟、などを祝うのである。
遠い東国から礼拝に来た博士たちの事件は、イエズスがこの世にもたらした救いこそ、万民のものであることをあらわしている。
 まずしい御誕生の有様であったが、しかしキリストは、王としてこの世に来給うた。
主日のミサ典礼書』より ドン・ボスコ社 昭和三十九年度版