祝 イエズスの御名の祝日

JESU DULCIS MEMORIA
イエズ・ドゥルチス・メモリア

1. おおイエズス、あなたを思うことはなんと甘美でしょう、
  あなたは心にまことの喜びを与えます。
  そうです、蜂蜜よりも、ほかのどんなものよりも、
  あなたの現存はなんという甘美!

2. 神のみ子イエズスよりも
  やさしい歌はなく、
  嬉しいことはきかれません。
  もっと甘美なことも考えられません。

3. 悔い改める人にとっては、希望となられるイエズスよ、
  願う人に、あなたは、なんといういつくしみ、
  あなたを探す人に、なんとよいお方、
  それなら、あなたを見いだす人にとって、
  ああ、何といったらいいでしょう!

4. イエズスを愛することが何であるかを
  舌はいいつくせません、
  文章も記しおおせません。
  ただ経験した人だけが信じ得ます。

5. 未来の報いとなられる、おおイエズスよ、
  わたしたちの喜びとなってください。
  あなたのうちで受けるわたしたちの光栄が
  永遠にいたるまでつづきますように。

JESU DULCIS MEMORIA

 イエズスのみ名をたたえるこの賛美歌は、1721年教皇インノチェンシオ13世によって、イエズスのみ名の祝日のために、ローマ聖務日課(教会の祈り)に入れられたものである。この祝日は主の割礼(元旦)と公現祭(1月6日)の間の主日、もしその主日がなかったら1月2日に行われていた。刷新後にこの祝日ははぶかれ、フランシスコ会固有の記念日として1月3日に(「ミサの友」上巻1289-1291ページ)、また全教会のために信心ミサとして(「ミサの友」上下共793-800ページ)残っている。「教会の祈り」に残っていない。この祝日が祝われるように促進したのは、15世紀のはじめごろシエナの聖ベルナルディノ(1444年帰天)とカペストラノの聖ヨハネ(1456年帰天)であった。しかし、この祝日に使うようになった賛美歌は、聖ベルナルド(1153年帰天)の作とされる、イエズスのみ名をたたえる49節からなる有名な賛美歌から取ったものである。次のイエズ・レクス・アドミラビリスとイエズ・デクス・アンジェリクムも同じところから取ったものである。
この第一の部は、イエズスのみ名の祝日の晩課(夕の祈り)に歌われていた。
[第1節]「蜂蜜よりも」。集会の書(24・27),「わたしの思い出は、蜜よりも喜ばしく、わたしをもつことは、蜜房よりも甘い」(ヴルガタ)。また、詩編(18・11),「主のみことばは、蜜よりも、蜜房のしたたりよりも甘い」。詩編118・103も参照。
「あなたの存在」、イエズスご自身はすべてにまさる。
[第3節] この一節は完全な生活をあこがれる人が進むべき四つの段階を示している。その1、「悔い改め」。その2、祈り、「願う」。その3、完徳をめざすこと、「探す」。その4、「見いだす」。
[第4節] イエズスの愛を経験していない人は、何もいえない。

『礼拝の聖時間』マテオ神父著「夜の聖時間」デルコル神父・江藤きみえ共訳より

JESU DULCIS MEMORIA
1. Jesu, dulcis memoria,
 Dans vera cordis gaudia:
 Sed super mel et omnia
 Ejus dulcis praesentia.
2. Nil canitur suavius,
 Nil auditur jucundius,
 Nil cogitatur dulcius,
 Quam Jesus Dei Filius.
3. Jesu, spes paenitentibus,
 Quam pius es petentibus!
 Quam bonus te quaerentibus!
 Sed quid invenientibus?
4. Nec lingua valet dicere,
 Nec littera exprimere:
 Expertus potest credere,
 Quid sit Jesum diligere.
5. Sis, Jesu, nostrum gaudium,
 Qui es futurus praemium
 Sit nostra in te gloria,
 Per cuncta semper saecula.
 Amen.