聖霊降臨祭 前晩

 霊降臨の主日 一級大祝日 八日間付 赤
ユダヤ教の五旬祭ペンテコステ)は、収穫を感謝する祝いであり、また、シナイ山において律法を授けられたことを記念する祭でもあった。
 キリスト教聖霊降臨(ペンテコステ)は、新生の生命をくり出すために、キリストの若き教会に下った聖霊を祝うのである。 故に聖霊降臨は、霊的収穫の祝いというべきで、キリストのあがないの初穂が収穫されたのである。又、これは、霊的な、内的な律法、すなわち、愛の律法の祝いでもある。 なぜならば、新約の掟は、もはや、石の板に刻まれたものではない。その掟は、生きた言葉で、人々の霊魂にきざみつけられているのである。 歴史的に見ると、聖霊降臨は、救主の復活後、 五十日目に当たる。この日、高間に集った弟子らの上に聖霊が下った。こうして、使徒たちは、イエズスより委託された使命、洗礼をさずける宣教を行う任務についた。この日、聖ペトロ(指定巡礼堂)は、真に地上における教会のかしらたることを示した。
 初代教会は、使徒らへの聖霊降臨と、教会の誕生を祝うために、早くもこの祝日を定めた。この祝日は、御復活の祝日と並んで、典礼暦年の最も重大な祝日となった。 しかし、八日間が定められたのは、十世紀になってからである。 聖霊降臨の期節の典礼は、聖霊が人の霊魂にもやす火をかたどって、赤が用いられる。
 
ミサ聖祭(指定巡礼堂。聖ペトロ大聖堂)
ローマの公教会は、この大祝日を、聖ペトロの大聖堂で行う。「創造の霊」は、地上あまねくひろまり<入祭文>、
聖霊降臨のかの日に行われたことは、たえず教会と霊魂との上にくり返され、新にされているのである。 教会は、これを、アレルヤと続誦とによって、主に祈願する。 聖霊は、主がわれらに残し給うた平和の泉として、そして、われらの行いの成聖のもととして、たえず、われらの心に住み給う。

主日のミサ典書』より 昭和39年度版 ドン・ボスコ社発行